毎年8月は、戦争や原爆などの話題に触れる機会が急に増えて、夏休みが終わるとともに、スンって見なくなる印象があって、それはいかがなもんかなあと思いつつでも自分もそうなんだよなあ…とか思ったりしつつ、でもそれはそれで平和な証拠でもあるよねっていうか、想像もしてなかった事が不意打ちで始まってしまって、8月だからとかそんなこともなく、リアルタイムなニュースで触れる機会多くて…なんか…ほんとね…。
そんな世界情勢の中、『同志少女よ、敵を撃て』は、今読むべきとか、今だからこそ読むべきとか言われるけど、いつ読んでも全然良い作品だけど、手に取る理由の一つとして、今だからそこは、ありだと思う。
世界史とか全然知らないおばさんなので、独ソ戦の概要を知るとっかかりにもなったし、それを知ると今起こってる事も理解しやすくなるよ。
作品のあらすじをざっくりまとめると、独ソ戦のさなか、とある農村で生き残った少女が狙撃手となり、似たような境遇で狙撃手となった仲間たちとともに、切磋琢磨しつつ、戦場を生き抜いていく物語だったりしますが、そこには本当にきれいごとはなかったです。
戦場、重火器、兵士や市民の精神状態、あらゆる描写が緻密で圧倒的な戦場の緊迫感があり、読み進めてくうちに没頭しすぎるとHPMPごっそり持ってかれてしまう感じ、でもついつい読み進めてしまう。
読み進めた先、少女の視界で繰り広げられる光景は、戦場ではそういうことが往々にして起きると認識されているからこそ、余計に不意打ちで、猛烈な勢いで本の題名が脳裏をよぎっていきます。
鳥肌立った…うわっ…って、つい声を漏らしてしまったくらい、衝撃的である種のカタルシスがありました。
話題になっている作品だけあるなっていう。
とはいえ、この作品は、否応なく、この時世を背負わされてしまうというか。
でも活字がっつり読むの久々だったから読んだー!って気持ち。
それと別に、芥川龍之介の舞台作品の配信を観た流れで、青空文庫の芥川作品をいくつか。
昔も読んだはずなのに忘れてるというかな……こんな話だったっけ?っていう…歳によって印象も変わるよね。