2018年10月03日

2018年ノーベル生理学・医学賞にグッときて。

 まとまらないけどざざっと書いておきたい。自分の為に。

 2018年のノーベル生理学・医学賞を受賞したのは、がん治療の新しい治療法である「免疫療法」を確立した、京都大学の本庶佑特別教授とテキサス大学のジェームズ・アリソン教授でした。
 ちまたは日本人の受賞に沸きつつ、やっぱみんなガンに効く新しい治療薬にノーベル賞のお墨付き的なワクワク感もある気もする。

 ネットでいろいろ読んだ記事で一番わかりやすく良い感じに好みだったのは日経サイエンスの記事で、
 2018年ノーベル生理学・医学賞:がんを攻撃をする免疫のブレーキを外す新たな治療法を発見した本庶佑氏らに(日経サイエンス)

 ざっくりまとめると、本庶教授とアリソン教授はそれぞれに、人間の体内でがんを攻撃する免疫系にブレーキをかける物質、PD-1、CTLA-4を見つけて、そのブレーキを解除する「免疫チェックポイント阻害剤」を発見、それによって免疫療法という新しい治療法が確立、それまで打つ手なしだった進行メラノーマなどに対する治療の選択肢になったって言う。
 ちなみに本庶教授のPD-1の研究から作られた抗体は、オプジーボ(一般名:ニボルマブ)、アリソン教授のCTLA-4の研究から作られたのが、ヤーボイ(一般名:イピリムマブ)。

  数年前、身内がメラノーマを発症、幸い転移もなく術後しばらくは定期検査でも何事もなく安心していたのですが、のちに遠隔転移が確認され、手術療法と化学療法のコンボで治療が始まりましたが、病状は好転しませんでした。メラノーマで転移が確認された場合、当時の標準治療だけではいろいろなかなか厳しいぞってのは理解してましたし、もうお医者さんの言う通りにするしかないっていうか、素人がどんなに頑張って情報拾ってきてもお医者さんのが良くわかってるわけで。
 と頭でわかってても情報が欲しくなるわけで、素人はあがきます。

 何か他の治療法はと身内としては調べないではいられず、調べた結果、なるほどエセっぽい治療方法が沢山あるのなと、藁にもすがりたい状態ではとにかく試してみようってなるなってしみじみ感じつつ、それでもいろいろ調べていく中、BRAFってたんぱく質の変異の有無で効く効かない的な標的治療薬の実験して効果出たんだぜとか、免疫療法ってのがメラノーマに効くっぽいぜとかいう論文を紹介してる記事とか結構読めて。その中で、ニボルマブ、イピリムマブって名前は読んでて、でも一番先に見つけたのは、アメリカでダブラフェニブとトラメチニブってのが転移性メラノーマの治療薬として承認されたって記事で、日本で承認されてなくても個人輸入する形での使用とか担当医に頼めないものだろうかとかでも先立つ物とかやべえのかなとか、でもBRAFの型によって使えないとか云々難しいのなって言うか、BRAFV600変異てなんぞー(これはまた違う薬の話だったと思う)とか、逆に何も打つ手がないのなら、エビデンスのない樹状細胞云々とか(ちょっと残念なエセっぽい免疫療法云々っていう個人病院でやっててたまたま治験ぽいので無料みたいな触れ込みを見かけた)でもなんかやってる感がある方が気持ち保てるのかなとか危険なことまで考えつつ…素人は途方に暮れるしかなく。

 でもなんやかんやしてたら、小野薬品工業のプレスリリースのニボルマブ製造販売絶賛申請中☆っていうのを見つけまして、身内の転移がわかるより少し前の日付だったので、身内の症状が悪化する前に承認されて販売されて使用できないものだろうかって一瞬希望を持ちました。
 けど薬の承認とか時間かかるんだろうな…無理なのかな…でも一応話しておこうかなって身内には話してみたけど、お医者さんに任せてるからと一蹴されつつ、でもその後、想像より早めにニボルマブはオプジーボとして販売承認が下りて、当初品薄みたいな事で使えないのかなとか思いつつ一応話てみたたけど、案の定門前払いぃー。orz
 最初は私の事は信用ならないと思うけど製薬会社の発表だから話ちょっとでいいから聞いてー!とも思ったりもしたけど、素人が聞きかじった情報で一喜一憂する余裕ないよなって。一心にお医者さんを信じる事でギリギリ気持ち保ってる所あるんだろうなって思い直したりした。でもやっぱ我慢しきれず、お医者さんに使えないかどうか打診だけでもしてみませんか?と説得しようと思ってた矢先、お医者さんから新薬勧められたからやるって、新薬使える間に合った!ヽ(´∀`)ノって身内の大喜びの報告は、私もヒャッハー!ってなったのを覚えてます。
 とは言え、オプジーボは、絶対効くものではないし、効果があってもほんのり延命という形でしかないかもしれないし、副作用には間質性肺炎とか、一発で命に係わるようなものもあったりするわけですが、それでも打つ手がない所からのオプジーボ使用で得られる可能性は大きな希望になりました。
 身内の3回忌も終わってしばらくたちますが、それでも使えるタイミングがあってよかったと思ってます。

 現在は、オプジーボだけでなく、オプジーボとヤーボイの併用療法も行われていて、以前よりも生存期間が長くなっているようです。身内が治療していた時には、併用療法は限られた医療施設での治験のみだったと記憶していましたが、確実に進化してるんですね。
 って、これを書くにあたってググってたら「ニボルマブ・イピリムマブ併用療法、メラノーマ脳転移への効果」って記事見かけて、頭蓋内の完全奏功って文字見て、身内もまた脳への転移で動けなくなっていたので、これも間に合ってたら、もう少し自分の足で歩けてたのかなとか感傷的になってしまいました。完全に自己満足というか自己陶酔的な感情でしかないのだけどもしもを考えてしまいます。蛇足ですが。

 オプジーボは、2014年9月にメラノーマの適応で発売された後、非小細胞肺がん、頭頸部がん、腎細胞がん、胃がんと適応拡大、対象患者数が膨れ上がって、異例の早さで薬価が50%引き下げられたんですよね。半額マジかっていう…製薬会社的には勘弁してくれよっていう…でも患者側としては嬉しいわけだけどでもなんかこんな薬価変更はなんかもうちょっとなんか……製薬会社には開発分しっかり回収してもらわないと後に続かないだろっていう…そしてそこから大学にもバックしてもらっていろいろな研究にお金を費やせる流れとかだな…?

 と、異例の早さで薬価が変更されるほど需要があり、患者の希望になりえる新しい療法、かつこんなに早くノーベル賞!って印象かもしれませんが、研究の始まりは何十年も前に遡り、PD-1の発見しただけでは何者かもわからずとにかく膨大な時間やお金を基礎研究につぎ込んで得た成果としてのオプジーボなのよね。
 ノーベル賞受賞したみなさんが毎度毎度おっしゃりますが、基礎研究に投資って本当に重要な事だと思うので、日本人ノーベル賞受賞すげえ!からの∴基礎研究に投資しなきゃな!って世論になってけばいいのになと思った次第っす。

 素人にはよくわからん基礎研究の集大成が自分や家族の希望になる事もあるのでな。
posted by しむ2 at 17:01| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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