2023年08月06日

8/6

昨年の今頃、『同志少女よ、敵を撃て』を読んでたなって。
今年は『戦争は女の顔をしていない』の漫画版を読み返すなどした。

数年前はこの月がこの日がいろいろ考えるタイミングだったりしたけれど、今はちょっとニュースを観るとよぎるようになってるのがなんかほんと、一瞬先何があるかわからないんだよなって改めて感じる。
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2022年08月06日

8月に読んだ本。

 毎年8月は、戦争や原爆などの話題に触れる機会が急に増えて、夏休みが終わるとともに、スンって見なくなる印象があって、それはいかがなもんかなあと思いつつでも自分もそうなんだよなあ…とか思ったりしつつ、でもそれはそれで平和な証拠でもあるよねっていうか、想像もしてなかった事が不意打ちで始まってしまって、8月だからとかそんなこともなく、リアルタイムなニュースで触れる機会多くて…なんか…ほんとね…。
 
 そんな世界情勢の中、『同志少女よ、敵を撃て』は、今読むべきとか、今だからこそ読むべきとか言われるけど、いつ読んでも全然良い作品だけど、手に取る理由の一つとして、今だからそこは、ありだと思う。
 世界史とか全然知らないおばさんなので、独ソ戦の概要を知るとっかかりにもなったし、それを知ると今起こってる事も理解しやすくなるよ。

 作品のあらすじをざっくりまとめると、独ソ戦のさなか、とある農村で生き残った少女が狙撃手となり、似たような境遇で狙撃手となった仲間たちとともに、切磋琢磨しつつ、戦場を生き抜いていく物語だったりしますが、そこには本当にきれいごとはなかったです。
 戦場、重火器、兵士や市民の精神状態、あらゆる描写が緻密で圧倒的な戦場の緊迫感があり、読み進めてくうちに没頭しすぎるとHPMPごっそり持ってかれてしまう感じ、でもついつい読み進めてしまう。
 読み進めた先、少女の視界で繰り広げられる光景は、戦場ではそういうことが往々にして起きると認識されているからこそ、余計に不意打ちで、猛烈な勢いで本の題名が脳裏をよぎっていきます。
 鳥肌立った…うわっ…って、つい声を漏らしてしまったくらい、衝撃的である種のカタルシスがありました。

 話題になっている作品だけあるなっていう。
 とはいえ、この作品は、否応なく、この時世を背負わされてしまうというか。

 でも活字がっつり読むの久々だったから読んだー!って気持ち。


 それと別に、芥川龍之介の舞台作品の配信を観た流れで、青空文庫の芥川作品をいくつか。
 昔も読んだはずなのに忘れてるというかな……こんな話だったっけ?っていう…歳によって印象も変わるよね。
 
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2020年08月16日

戦争は女の顔をしていない1/小梅けいと

 第二次世界大戦中の旧ソ連軍の退役女性兵士の実録インタビューをまとめた書籍「戦争は女の顔をしていない/スヴェトラーナ アレクシエーヴィチ著」をいつか読もう読もうと思いつつもいつかがこない中、ふいにマンガ化されたので、ではこちらを、と読んだ次第。

 当たり前なんだけど。想像はしていたんだけど。内容重たい。
 マンガ1冊、普通のページ数、なのですが…読み始めから読み切るまで2か月かかった。
 読み進めるのにパワーがいるというか、心に体力がないと余裕がないとなんかこう読めなかった。
 文章だけなら淡々と読めたのかな、同じように時間がかかってしまうだろうか。
 インタビューそのものは事実でそれだけでも力があるのだけど、くわえて絵の力、表現が、事実を増幅させて情緒をゆさぶってくる気がする。
 表現の違いで受け取る感覚が違ったりするのかな、それとも同質なものなのか、やはりいつか原作を読んでみたい。
 つかこのいつかも来なそうな気がするけど、なるべく実現したい。
 でも絶賛気力体力時間推しに全振り期間なので、しばらく後になるとおもうけどでも読むよ。
 いろいろ思うことありつつも、時間をかけて読むだけの価値はあったと思うので2巻がでたら読みたい。

 この時期、個人的には日本の国内向けの戦争関連本を読むことが多かったので、当時の他国の女性兵士の体験に触れることができたのは新鮮だった。
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2017年08月18日

『舎監』せんせい ―集団就職の少女たちと私―

 朝ドラ『ひよっこ』が、超楽しい。
 物語の本筋はもちろん楽しいけど、それに加えて、登場人物それぞれのエピソードが良い。
 その人物の個性をものっそい抜群に表してて、主人公も良いけど脇役ズもね!って感じで、正直全員に対してときめきが止まらない。

 その中でも、主人公が集団就職先の「トランジスタ工場」で出会う同僚たちや、社寮の「乙女寮」舎監『愛子』さんと織りなすエピソードが好きでした。心温まるものがありつつも、当時、否応なしに集団就職という形で地元を、実家を出ざる得なかった、少年少女を取り巻く厳しい実状が垣間見えて泣かされたり。
 もーおまえらみんな幸せになってくれよー(号泣)とか架空キャラに本気で思ってしまった次第。

 そんな折、何気なくツイッターのTL見てたら、『愛子さん』には、モデルになった人がいるらしい。この朝ドラの為にインタビューを受けていたらしい、寮生さんもまた話を聞かれたりしてるらしい、そんでもって舎監さん本を出してるらしい。そしたら読みたくなるわけで。

 『舎監』せんせい ―集団就職の少女たちと私―

 著者の鈴木政子さんは、大学卒業後、某電機会社のトランジスタ工場に就職した少女たちが暮らす社員寮の舎監の仕事に就き、集団就職でやってきた少女たちと共に4年間を過ごしたのだそう。本書は、その当時のメモ書きをまとめた文章と共に当時の『集団就職』の実状、現在にまで至る寮生たちとの交流が、読みやすい文体で書かれていました。

 恥ずかしい話、集団就職というと金の卵という呼び名と、三丁目の夕日のイメージしかなく。
 本を読んで、当時はほとんどの人に太平洋戦争の影響が色濃く残る時代、戦争で多くの若者がなくなり、その代わりに15歳の少年少女が頑張らざるえなかった背景を知った次第。
 文中の『日本の高度成長期安く使われたのが、集団就職の子供たちと、出稼ぎのお父さんたち、この人たちがいなかったら、経済大国日本はなかったと思う』のくだりに胸が痛みつつ、朝ドラを思ったりする。

 著者が元寮生の方々の人生を語る中で、とある寮生が卒業した学校の先生が会社の様子を見に来たというエピソードがありました。
 訪問した先生は、寮生の姿を見て安心したようだったけども、他の生徒が就職した製本屋は、物置に畳を敷いてごろ寝で、朝6時〜夜10時まで働いていたり、鋳物工場は、日々汗を流しまくりで火傷だらけ、部屋も屋根裏のような粗末な所だったと。親御さんにどう報告しようかと悩んでいたそうで、就職先が違えば置かれる状況もまた千差万別だったよう。
 その中でもこの本で書かれているトランジスタ工場は比較的条件が良かったのかもしれないけれど、元寮生の方々のお話を読むに、当然ながら過酷だ。二交代制での工場勤務、寮とは言え、12畳に6人。二交代ゆえに定時制に通えない事を悔やむ寮生もいたそう。
 そう言えば、この工場に就職するには当然就職試験があるようで、これは各地域の職業安定所で行われたそう。東北では5,6倍〜13倍の倍率にもなったようで、思うにその倍率を勝ち抜いてきたトランジスタ娘さんたちは勉強したい子も多かったのではなかろうかと。中には、2,3年勤めてお金をためて通信制高校、大学就学という道を歩む寮生もいたそうだが、進学したい子が全員そういう道に進めるほど簡単な事ではないのですよね。
 今でも大学進学はお金がかかり、卒業と同時に借金を背負ってる学生さんも珍しくなく、つーか税金高くするならその辺もっとどうにかできませんかねと思いつつ、正直学歴が全てじゃない時代が来てる気はするけど、世が気にする「学歴」ゲットの為の勉強でなく、勉強したい子が気兼ねなく勉強できる環境というかなー。>話それまくり

 この本で紹介されている元寮生さん方は、みんなカッコイイ生き方をされている。もちろん著者の舎監さんも。
 時代の、世の中の、色々な制約の中、強くしなやかに生きてこられた、自分の道を着実に歩んでこられた、姿に勇気が貰えると共に、自分の祖父母や親世代の大変さを今一度考えてみたくなりました。

 それと、社員寮には若い女性がいっぱい、やはりいろいろな事件が起きるわけで、舎監という仕事ってマジで大変だなって思ったり。その事件の内容が意外と今と変わらない案件だったりもして親近感が沸いたり。

 とりあえず宮城に行ったら、某菓子店は行ってみたい。>本中に登場した元寮生さんの菓子屋さん

-追記-
 先日書きそびれてしまったけど、寮生に向けては仕事を終えた後、学びの場が用意されたようで、年毎に課目も増えていったとの事。「社会、国語、ペン習字、料理、編み物、手芸、洋裁、和裁、体育、音楽、茶道、生け花」等の科目があり、舎監だった著者の鈴木さんは、ここで国語を教える事もお仕事のうちだったそう。勉強できるとは言え、あくまで教養講座的なもののようで、高校大学の授業とはまた違ったよう。
 ただここで教えられた社会講義の要項をみるに触れる内容の広さや深さが半端ない。世界の国々、宗教、交通、貿易、主要国の基本情報、自国の事もまたしかり、また近代科学の発達と現状として原子物理学から医学薬学、政治経済の話から地元の歴史、そして道徳、礼儀作法から異性への対応まで。思うに小学校から高校くらいまでの社会科にくくられる色々な教科のごった煮かと思うのだけど、こんな感じの社会の授業なら受けたいなと…延々と社会と国語が嫌いだった私は思いました。
 その後、この試みは成果を残し、本格的に学園組織にもっていく事になったそう。最終的には高校通信制過程へと変貌していったそう。勤務時間の関係で定時制に通えない子でも通信制で学べるようになった模様。
 
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2012年09月27日

プロレタリアートな猫マンガ。

プロレタリアートな猫マンガ。
だれも劉備や張飛になりたがらなくて、関羽が3匹いらっしゃる。
3匹の関羽(ねこ)と、ねこキャップをかぶり世間を斜め後ろ向きに突っ走る飼い主とのハートフルな物語。
それが、クレムリン(モーニングKC)だ!>一読者の感想です。

妹に貸したらネコまっしくらだったので、多分面白いと思う。
アニメ化までされてしまった。
正直ステマかと思っていたら本当だった。
秘密結社 鷹の爪」がアニメ化してくれた模様。
テルマエのアニメもこちらが作ってた気がします>ぼんやり情報。

作者も担当も寝耳に水!?>アニメ化がね。
とか新刊の帯に書いてる辺りが、クレムリンクオリティ。

DLEチャンネルでアニメ4話までを絶賛披露中☆
何気に1話目の再生回数10万回越えてるのがすごい。
でも2話目からがくんと再生回数が減ってるのが切ない。
というか、1話目より2話目からが面白い事を念頭に置いて1話目を見れば良いと思う。

クレムリンの宣伝と言うか、ステマ完了。
ラベル:クレムリン
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2012年01月18日

読んだ本が溜まってた。

読んだ本が溜まりすぎてもう全部は思い出せない。
これ以上わからなくなる前に私的覚書。

時代小説が苦手で避けてきたけど友人の強い推しで読み始めた「ぼんくら」シリーズ。
思いがけずハマってしまって一気に読んでしまいました。
ぼんくら(上) (講談社文庫) [文庫] / 宮部 みゆき (著); 講談社 (刊)
ぼんくら(下) (講談社文庫) [文庫] / 宮部 みゆき (著); 講談社 (刊)
日暮らし 上 [単行本] / 宮部 みゆき (著); 講談社 (刊)
日暮らし 下 [単行本] / 宮部 みゆき (著); 講談社 (刊)
おまえさん(上) (講談社文庫) [文庫] / 宮部 みゆき (著); 講談社 (刊)
おまえさん(下) (講談社文庫) [文庫] / 宮部 みゆき (著); 講談社 (刊)

個人的茅田砂胡祭りがありました。
コーラル城の平穏な日々 デルフィニア戦記外伝2 (C・NOVELS Fantasia)
祝もものき事務所 (C・NOVELSファンタジア) [新書] / 茅田 砂胡 (著)
レディ・ガンナー外伝 そして四人は東へ向かう (角川スニーカー文庫) [文庫] / 茅田 砂胡

やたらとツイッターで題名を見かけたので読んでみた。
作家さんの思想にちょと偏りがある印象を受ける文章もあるけど面白かった。
未知との遭遇、その時、人間は?ってな感じだろうか。
クセはあるかもだが、本屋大賞とかノミネートされるんじゃないだろか。
ジェノサイド [単行本] / 高野 和明 (著); 角川書店(角川グループパブリッシング) (刊)

個人的にぼんやりと平安ブームが起きました。
日本人なら知っておきたい日本文学 ヤマトタケルから兼好まで、人物で読む古典 [単行本] / 蛇...
寂聴と読む源氏物語 (講談社文庫) [文庫] / 瀬戸内 寂聴 (著); 講談社 (刊)
藤壺 [単行本] / 瀬戸内 寂聴 (翻訳); 講談社 (刊)

三浦さんの新刊が出たのでウハウハ読んだ。
事典を作る話。活字を愛する人ならばきっとキュンとするはず。
凝った装丁がまた素晴らしい。これがまた泣かせる。
これも本屋大賞くるんじゃないだろか。昨年読んだ本では一番面白かった。
舟を編む [単行本] / 三浦 しをん (著); 光文社 (刊)

ドラマのための書き下ろしらしい。
ミステリーとしては途中で着地点が見えてしまったのが残念。
湊さんは告白の印象が強すぎて損をしてるなとぼんやり思う。
境遇 [単行本] / 湊 かなえ (著); 双葉社 (刊)

ドラマでやってたので読んだ。
先にドラマを見てしまったのが仇になった感じ。
ドラマが面白すぎて、原作に物足りなさを感じてしまいました。
好きな原作がドラマ化した時には面白くないと憤りを感じますが、面白すぎるのもあれなのかなーと思ったりしました。続刊を読んだらまた印象が変わるかもしれませんが。
謎解きはディナーのあとで [単行本] / 東川 篤哉 (著); 小学館 (刊)
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2011年06月03日

読んだー。

 キケン / 有川 浩(著) 新潮社を、読んだ。
 主人公の彼が、大学時代に所属していた部活『機械制御研究部』略して『キケン』の破天荒な部員たちと起した数々の理工学系ヤンチャエピソードを奥さんに語る体で進んでくお話。
 若気の至り、青春の熱が満載。まぁ面白い。
 面白いけど…でも本屋大賞の候補作になってた割には、ちょっとパンチがないかなぁ…と読み進めての最終章、本気でやられました。そうきたか。と。
 このラストに向っている気配にはもちろん気づいていたけども…それでも泣かされた。
 話もそうだけど、小説(活字本)的にはちょっとそれ反則じゃないか(笑)って気もする見開きのあの演出には、かなりのパンチがあったぜ。やられたぜ。
 出版社の編集さんたちGJっ!
 作品自体が時限爆弾のようでした…あー、面白かった。
 有川浩さん本はあんまりハズレが無いので素敵。

 あ。前回書き忘れてたけど、これも読んでた。

 燔祭の丘 建築探偵桜井京介の事件簿 (講談社ノベルス) / 篠田 真由美 (著)
 本編15巻、番外4冊、計19冊に及んだ、建築探偵シリーズ最終巻。
 長い長いシリーズもこれでとうとう完結です。
 今作は函館が主な舞台、ロケーションにそこそこ詳しい分、楽しめた所も多かったし、ハッピーエンドにもほっとしましたが、でもなんかこう…完結にしては…って言う物足りなさも感じたな。
 できる事なら、神代教授の外伝本か何かでその物足りなさを補完してもらえたらなと思うけど…どうなのかなぁ。
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2011年05月31日

30冊読みました。

 ここ1ヶ月ちょいで、本を30冊読んだ。
 つーても26冊がライトノベルだけど。
 でもちょっとした読書月間になった。
 忘れないようにメモ書き。

 ライトノベルのデルフィニア戦記/茅田 砂胡(著)を全18巻と、その続編暁の天使たちシリーズ8冊。
 茅田さん本、デルフィニア以外の作品はおおむね読んでたんですが(新刊数冊読んでない)、何分この方の本は一度読んだら止められない止まらない…ので気合入れて時間取ってからでないと日常に支障が…と言うほど好きなので、冊数が多いデルフィニアは長い事読めてなかったんだけど、今回ようやく読み終わった♪
 やっぱ期待通りに面白かった♪
 そして先に読んでしまってた続編の暁の天使たちも今回二度目読み。
 やっぱデルフィニアも踏まえて読むとまた趣が違って楽しさ倍増。
 追々時間作って、スカーレットウィザードやクラッシュ・ブレイズシリーズも二度目の一気読みをしたいと思う。

 でハードカバー本。
 花の鎖 [単行本] / 湊 かなえ (著); 文藝春秋 (刊)
 面白かった。毒があんまないっちゃない感じの港さんぽくない作品。
 なのでこれまでの作品が好きな人は、苦手かもしれない。
 でも私は、これまでの港さん本も面白くて好きだけど、その中でも今回の作品が一番好きかもしれん。
 ので今まで港さんのあの救いようの無い暗さとかが苦手だと思ってた人なんかは、読んでみても良いかも。

 KAGEROU [単行本] / 齋藤 智裕 (著); ポプラ社 (刊)
 この作品、何とか賞受賞とかじゃなくさ。
 普通に芸能人小説で売り出してた方が、良くも悪くも公平に正当な評価をされたんじゃなかろうか。
 何とか賞取ってるって聞いちゃうと、作品そのものに感動したかどうかって感想でなくね、どうしてもそれに見合うかどうかって視点で読んでしまう所があるから。
 小説系の賞でなく、映像系のシナリオ大賞か何かで賞取ったって話なら、無くは無いと思うんだけどなぁ…って言うのが個人的な印象でした。
 物語そのものの発想や、ストーリーの展開には、所々面白い部分があるし、おっ。って所もあるけど、全体通して文章力の乏しさが目立ってしまったなぁと…それがすごく勿体無いし、小説としては読み応えが無い。
 小説の形で表現するより、映画かドラマなんかの映像表現した方が面白い作品なんじゃなかろうか。

 マボロシの鳥 [単行本] / 太田 光 (著); 新潮社 (刊)
 短編集です。
 太田総理とかでスイッチ入っちゃった時の彼の言わんとする所、と言うか彼の思想の根源と言うか、それが非常に細かく描かれた小説でした。
 太田光モロ出し(精神的にですよ?肉体的な意味でなく)オールヌード感漂う作品。
 良く言えば純粋とか高潔な、悪く言えば青臭いとかキレイゴトすぎなと言うのか…そんな印象を受ける短編集でした。
 確実に好みはがっつり別れるだろうなぁ。万人受けはしないと思う。
 個人的には太田総理好きだったんで、彼の内面への旅みたいで面白かったよ。

 ドラッカーのマネジメントがマンガで3時間でわかる本 (アスカビジネス) [単行本] / 津田 ...
 「もしドラ」が流行ってるので読みたいな。
 でも図書館じゃ「もしドラ」は借りられてて中々読めない。<でも買わない
 じゃあドラッカーのマネジメント読もうかなと思いつつ、そんなガッツリでなくても良いな…って感じで読んだ本。
 マンガと言うけどガチンコでマンガではなくて、半分イラスト図解になってるって本でした。
 ざっくりマネジメントの内容がわかった。あくまでざっくり。
 流行ってるけど、浅く広くこう言うものらしいよってのを知りたい人にはオススメ。
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2011年02月21日

読んだ本の覚書。

 今年に入って読んだ本をメモしとかなきゃ忘れる。
 そう思って書き出そうとしたのに、もう5冊くらい忘れてる罠>orz

 赤朽葉家の伝説 [単行本] / 桜庭 一樹 (著); 東京創元社 (刊)
 製鉄業で財を成した旧家『赤朽葉家』の『私』が主人公でありこの本を通しての唯一の語り手。
 現代を生きるニートの『私』…彼女が幼い頃から見聞きした偉大なる祖母と母の物語を中心に『赤朽葉家』とその周辺の人々の歴史についてガシガシ語ってくんですよ。戦中から高度成長期、バブル崩壊と日本の歴史的な歩みと『赤朽葉家』の人々の暮らしぶりが、まー見事に描かれててね、これが妙に面白い。面白いんだけど…あれでもこれ推理小説じゃなかったっけ?と、ふと気づく。
 読み進めても一向に推理小説的要素が出てこない…でも推理小説としてなんかの賞貰ってたんでないっけ?と不思議に思いつつ7割くらい読み進めてからでしょうか…ようやく時代は現代に、祖母でも母の歴史でもなく『私』の現代の話が展開し始めて初めて推理小説的なネタがっ。
 やられたと思いました。推理の肝は当然事前に読んだ歴史語りの中にあった訳で忘れてたわけでもないのに、あんまり自然すぎたもんで言われて初めて気づいて盛大に驚いた。久々に本読んでて「ああっ!」て叫んだ。楽しい本でした。
 あ、思い出した。
 この本の前にこの作者さんの「孤独という名の少年」も読んでた。
 この二冊一気読みしたら、マルケスやヘッセを読み返してみたくなった。ちょっと感じが似てる気がする。正直十代の頃に読んだきりなんで中身覚えちゃいないけど(笑)

 往復書簡 [単行本] / 湊 かなえ (著); 幻冬舎 (刊)
 とある関係性の2人の手紙のやり取り、それのみで物語が進む形式の短編が3本。
 どの物語も手紙の出だしはご機嫌いかが?的なノンビリほのぼのした始まりで、手紙の回数が重なるごとに雲行き怪しく、サスペンスな雰囲気に。
 けれどどの物語も心温まるラスト。この作者さんの作品は多分全部読んでるんだけど、こう言う明るめのラストは珍しいなぁと。こう言うのもありだなぁと思いました。
 
 ロスト・シンボル 上 [ハードカバー] / ダン・ブラウン (著); 越前 敏弥 (翻訳); ...
 ロスト・シンボル 下 [ハードカバー] / ダン・ブラウン (著); 越前 敏弥 (翻訳); ...
 有名なラングドンシリーズ第3作目。
 今回の題材は、フリーメイソンと純粋知性科学。
 ぶっちゃけ前作、前々作のが小説としては面白いのかも。
 これまでの3作が同じような感じの展開なもんで、3つ目はそろそろ飽きた感が少し。
 でも今回の題材は、個人的にどっちも興味津々なネタだったんで楽しく読めた。
 小説としての面白さと言うより、ある種参考書的な面白さが勝っちゃった感もありますが(笑)
 ちょとラストがね。あっけない感じがしましたが…それでもおおむね楽しく読みました。
 しかし昔々にマガジンとかムーとかで見た様なネタが満載で…読む人によってはシリーズ中最も胡散臭い感じのネタだったのでは?と思わなくも無い。
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2011年01月24日

1Q84 BOOK3

 以前『1Q84』のBOOK1,2を読んだ時、面白いか面白くないか良く判らない本だと思ったり、続編でるっぽい噂あるし、これで終わりは拾い切れてない伏線満載だけど、これはこれで完結でよくね?とか思ってたりしたんだけど…つかぶっちゃけ世の中が騒ぐほど面白いのか?これ。と思ったりしてたんだけど。

 遅ればせにBOOK3読みました。
 上記感想一度全部撤回、やっぱ面白いかもしんない。この作品。
 ってのもBOOK4が出版される事が前提ではあるんだけど…でないって噂もあるしねぇ。
 1,2だけ読むとファンタジックな「1Q84」って世界が舞台の純愛小説てイメージしか沸かなかったんだけど、3を読むと「1Q84」って世界そのものが何かしら作者の意図と言うか思想を含んだ隠喩なのかなって気がしてきました。それを自分なりに理解するにしろ結論付けるにしろ、やっぱもう1冊出て欲しいと思う。
 3で終ってしまった場合、やっぱり面白いか面白くないか良く判らない本だった。って感想になると思うんだなぁ…謎すぎて。
 BOOK4なりBOOK0が出て、それを読み終わって初めて面白いか否か、カチリと感想が出力される気がします。

1Q84 BOOK 3 [ハードカバー] / 村上 春樹 (著); 新潮社 (刊)
1Q84 BOOK 3 [ハードカバー] / 村上 春樹 (著); 新潮社 (刊)
ラベル:1Q84 book3
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2010年11月26日

これからの「正義」の話をしよう

 何ヶ月か前、NHKの教育だったか総合かで『ハーバード白熱教室』って番組をみたのですよ。
 この番組は、ハーバード大学の歴史上、履修学生数最高記録を更新した政治哲学のマイケル・サンデル教授の授業「Justice(正義)」をまるっと放送したもので、もちろん日本語吹き替え。
 元々ハーバード大の授業は非公開が原則なんだけど、あんまり人気があるんで大学側がこの授業の公開に踏み切ったそうだ。大学の歴史上初の試みだった模様。英断ありがとう。この授業はほんとに面白かった。
  
 その授業を元に書かれた本がこれ。

 これからの「正義」の話をしよう――いまを生き延びるための哲学 [ハードカバー] / マイケル・サンデル, Michael J. Sandel (著); 鬼澤 忍 (翻訳); 早川書房 (刊)
 これからの「正義」の話をしよう―いまを生き延びるための哲学

 本は、現代社会における数々の事象について哲学的倫理的な側面から問題提起し、読者に「正義」とは何か?って事を考えさせるような内容になってます。
 例えば、
 ・1人を殺せば5人が助かる状況があった時、あなたはその1人を殺すべきか?
 ・高所得者に高い税金を課し、低所得者に再分配するのは公正な事か?
 ・前の世代が犯した過ちについて、私たちに償いの義務はあるのか?
 こうした問題について、どう行動するのが「正義」なのか。
 しかしそもそも「正義」とは、どうやって決められるものなのか。
 社会全体の幸福を最大化を目指す事が正義なのか、個々人の自由を守る事なのか、道徳的な価値があればそれは正義なのか…等、アリストテレス、ベンザム、カント、ロールズ(…他にもいたけど忘れた<ヲイ)古今の哲学者の考えを取り上げながら「正義」について論じられている。

 邦題を見るとまるで「正義」ってこれだぜ☆って答えを教えてくれる本って印象受けますが、あくまで哲学的に正義を論じてみようかってな本なので、そのものズバリな答えは出てません。
 ここまで読ませといて、結論ねぇじゃんっ!ってのがダメな人は読まない方が良いかもです。
 結論は自分で考えていけば良いんだぜ。その取っ掛かりにこれ読むぜ。って人にはオススメ。
 また西洋的、アメリカ的な思想基盤で書かれているものなので、日本人としては、え?そうかい?と首を傾げたくなる論理展開もあります。そこは文化の違いと割り切れば気にならない。
 TV番組が授業そのもの(教授と学生の議論で授業が進んでいく)だったのに対して、本は学生との議論が無くて反論する第三者がいないせいか、教授の私的見解が多めに含まれている感じがして、TVよりちょっと偏ってるのかなぁって印象はありました。

 普段、正義について、それも哲学的に倫理的に真剣に考えて生活してる人は少なかろうと思うんですよね。
 でも多分なんとなく自分の中にある正義と言うか、倫理や道徳にしたがって行動はしてる訳ですよね。んでそんな風にそれぞれの正義を持つ人達がコミュニティを作って生活していく中、その正義同士の衝突があったり和解があったりしながら社会は回ってる。
 政治から経済やら身の回りの問題まで、正義って何?って考える事で判ってくる事も少なからずあるのかもしれないなぁと。自分の思う正義とは違った考え方も色々あるんだなぁつーのを、この本で知る事ができたのは、ある意味生きていく上でプラスになるのかもしれない。
 難しい事色々教えてくれたり論じたりしてる割に読みやすかった。
 私には楽しい本でした(^_^)
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2010年09月15日

棄民たちの戦場。

 図書館の特設コーナーで見かけて、棄民たちの戦場―米軍日系人部隊の悲劇て本を読みました。

 以前読んだアメリカの歴史を取り上げた書籍の中、人種差別に触れた項で、第二次大戦中の日系移民や日系米軍人への風当たりは相当な物だったって話はチラッと読んだ事がありましたが…この度「棄民たちの戦場」を読んで初めてその当時の状況を詳しく知る事ができました。

 日米開戦後、全ての日系人(日系1世、2世、帰米2世等)は48時間の猶予の後、財産を全て国に没収されて、敵性外国人として強制的に収容所に送られた。この時、同じ枢軸国だったドイツ系、イタリア系アメリカ人にはこうした措置は取られていない。白人至上主義、黄禍論の延長にこの強制収容が行われたと取らざる得ない。
 収容所は街から離れた辺鄙な所に十ヶ所ほどあり、本書ではその1つであるマンザナー収容所の事が詳しく書かれてました。鉄条網に銃剣、ライフルを持った見張りに監視された1.6キロメートル四方の土地の中、天井もなく隣の部屋の話し声を筒抜けになるようなバラックに、1万あまりの日系人が閉じ込められていたそうだ。彼らは、突然の通達で基本的人権を奪われ過酷な生活を余儀なくされた。
 日系2世の多くの若者たちは、アメリカ市民としての日系人の誇りと同胞の人権を取り戻すべく、自らアメリカ軍に志願した。紆余曲折ありつつ、ついに日系部隊が組織される事になるのだが、彼らが送られた先はことごとく激戦地、使い捨てと考えている上層部も少なくなかったようだ。
 日系部隊がその悲劇の最中、文字通り命を賭け、死に物狂いで勝ち取った誇りや栄光は未だ輝きを失わない。3世や4世の時代になった今、改めて彼らの日系アメリカ人としての誇りは輝きを増し、全ての日系人の道を照らし続けていくのだろう。

 棄民たちの戦場―米軍日系人部隊の悲劇
 棄民たちの戦場―米軍日系人部隊の悲劇
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2010年09月01日

エリオット波動入門。

 FXとかのテクニカル分析を少し勉強したいんだが、どんな本が良いんだかなぁ。
 とか思ってたら身内に良い本を教えてもらった。
 それがエリオット波動入門 (ウィザードブックシリーズ)

 これは題名通り、アメリカのエリオットさんって人の波動理論の解説本。
 相場ってのは、マクロなりミクロなり、ある一定のリズムで上昇下降を繰り返してるって前提の中、基本になる波形の動きは「5つの上昇波と3つの下降波」で、状況に応じて伸びたり縮んだり変形パターンはあるものの、この8つの波形が繰り返されてますよってのがエリオットの波動理論って事らしい。
 そして、実際の相場の波形パターンを上手くこの波動理論に照らし合せる事ができれば、今相場はどう言う状況なのか、今後相場はどんな展開を見せるのか、予測する材料、指標になるんだそうだ。

 本ではその他に、この理論の歴史的背景や、数学的にどうなの?って事が説明されてたり、理論の応用方法にも触れられてました。
 何となく波形に一定のリズムがあるって話は感覚的に判る気がしますが、それがこの基本パターンのみに収束するかどうかは少し疑問だったりしてました…が、この辺読むとなるほどなぁと信憑性が増す気がしました。
 更に遠い昔からこれまでの相場がどんな波動を示していたか、市場がどんな動きを見せていたのかって事についても広い説明がなされていたと記憶していますが…ちょっと後半力尽きてうろ覚え<ヲイ
 涼しくなったら、ちょっと間を置いても改めて読む予定。
 そもそも1回読んだきりじゃ中々どうにもならんかなぁ。
 なんかこう、大学の教科書っぽい本でした。
 
 んで。
 思っていたより判りやすく解説されてるので、素人でもざっくり理解する事はできると思うんですが。
 やっぱ、これを実際の相場に当てはめて生かすには、多大な訓練が必要なんだろうなぁと。
 全然波形をカウントできないんだぜ…orz

エリオット波動入門 (ウィザードブックシリーズ)
エリオット波動入門 (ウィザードブックシリーズ)
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2010年08月17日

昭和二十年夏、女たちの戦争

 昨年、梯 久美子さんのノンフィクション『昭和二十年夏、僕は兵士だった』を読みました。
 非常に感銘を受けた本だったので、今年出版された『昭和二十年夏、女たちの戦争』も読んでみた。
 
 元NHKアナウンサーで作家の近藤富枝さん、生活評論家の吉沢久子さん、女優の赤木春恵さん、元国連難民高等弁務官でJICA理事長の緒方貞子さん、日本初の女性宣伝プロデューサー吉武輝子さんのインタビューをまとめたノンフィクション本。

 インタビューをされた方々は、当時10〜20代の独身女性。
 戦中の女性の姿を表した作品は、銃後の母や妻の視点のものが多い印象がありますが、本書では、それ以外の立場に居た女性、当時若く独身でいた女性の方々にスポットがあてられている。戦争体験をまとめた書物としては珍しいかもしれない。
 
 おしゃれだって本当は気にかけたい、女性なら時代を問わず当たり前に感じる感情を垣間見ると、どうしても客観的に捉えがちな戦争の話も、より心を寄せて捉える事ができた気がする。
 前作の『〜兵士だった』と同様のスタンスで、ただ単純に悲惨な、悲しい戦争体験ばかりをまとめた本では決してなく、暗い時代の中、女性ならではの小さな幸せを見出し、仕事に、恋に、力強く生きる姿が映し出されている。
 こうして力強く生きてこられたからこそ、今も精力的に生き生きとしている方ばかりなのかもしれない。

 昭和二十年夏、女たちの戦争
 昭和二十年夏、女たちの戦争


 あ。ついでに夏なので。
 心霊づきあいなんてのも読んだ。

 「霊は怖くない。むしろ好き」ってな11人の方々のインタビューを加門七海さんが、まとめた本。
 正直幽霊、怪談は苦手な方なのですが、11人の中に漫画家のCLAMPさんやら、世界ふしぎ発見の竹内海南江さんがいらっしゃったのでつい手にとりました。
 他の方々もなんだかすごい方々ばかりでね。視える方も視えない方も、なにやら色々なエピソードがありまくりで。
 霊の本には違いないのですが、怖い本ではありませんでした。むしろ怖さが薄らいだほどだ。本書に出てくるみなさんの心霊愛は深いよ☆

 心霊づきあい (幽ブックス) 
 心霊づきあい (幽ブックス)
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2010年07月16日

武士道セブンティーン。

 以前紹介した「武士道シックスティーン」の続編「武士道セブンティーン」と、そのまた続編「武士道エイティーン」を読んだ。

 主人公は剣道に青春する2人の女子高生。
 2人はそれぞれ剣道に真剣に取り組んでいるものの、剣に対する考え方は正反対(性格も正反対)、そんな2人が時に衝突、時に和解し、刺激し合いながら、心技共に切磋琢磨していく。コメディタッチの青春小説。
 とか言ってしまうと、ありがちなスポ根青春モノに感じられてしまうかも知れないですが、魅力的なキャラクター、剣道を知らない人間でも楽しめる緊迫感ある描写、細部まで読ませる力があります。
 主人公たちは、シックスティーンで、高校の剣道部の新入生と言う立場で出会い、共に成長し、セブンティーンでは袂を分かち、別の立場、環境に身を置き、それぞれに悩み、気づきを得ながら成長を続け、エイティーンでは彼女たちの成長の集大成…これでもかと爽快な、最高のラストが待ってます。
 剣道が好きになりそうです。えぇ。もう。
 3冊まとめて、ここ数年でもっとも面白い青春小説でした。

 武士道シックスティーン 武士道セブンティーン 武士道エイティーン

 この流れでね。
 同じ作者さん(誉田 哲也)の疾風ガールとその続編、ガール・ミーツ・ガールも読んだ。
 こちらは音楽モノ。
 疾風ガールは、バンド系ギターリストな女子が主人公。
 彼女のいるバンドのライブを偶然見る事になった芸能マネのヘタレ系男子が、彼女のスカウトに乗り出したら、そのバンドのボーカリストが突然謎の自殺を遂げて…ちょいサスペンス風味もありの、音楽系青春小説。
 続編のガール・ミーツ〜は、前作の主人公が晴れて芸能事務所入りしたものの、音楽の方向性で事務所と衝突…葛藤する中、ひょんな事から、とある女性ボーカリストと出逢う。
 主人公はその出逢いによって、見失いかけていた自分の音楽を取り戻していく…こちらも音楽系青春小説。
 
 このシリーズも面白かったんだけど…なんとなく物足りなかった。
 疾風ガールの方はそうでもなかったんだけど、続編は特に軽さを感じてしまった…え、それでいいのかい?と思ってしまう展開がちょいちょいあって。ラストは好きだったんで、少し残念。

 疾風ガール (光文社文庫) ガール・ミーツ・ガール
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2010年06月04日

武士道シックスティーン、他。

武士道シックスティーン
 丁度今映画がやってるんで、何となく読んでみた。
 剣道女子高生の直球ど真ん中の青春モノ。
 物語の核はスポーツ青春モノの王道ではあるんだけど、彼女たちが成長していく過程、気づきを得る道程は鮮やか、読ませます。
 面白すぎて一気読みしてしまった。
 バカみたいなペースで(笑)
 ここ数年でも珍しいくらいの一気っぷりでした。
 セブンティーン、エイティーンと続編が出てるんだけど図書館で借りられっぱなしだったりしてまだ読めてない。借りたらやっぱり一気読みしちゃうんだろうと思う。


 毛色変わってノンフィクション。 
レンタルチャイルド―神に弄ばれる貧しき子供たち
 著者が10年かけて書いた渾身のノンフィクション。
 貧困の中、生きる為に物乞いをする人々たちがインド ムンバイには溢れている。物乞いによってより多くの金銭をえるため、憐れみを誘うために、女性はマフィアに赤ん坊を借り(この赤ん坊が表題のレンタルチャイルド)、マフィアは自分たちが金品を搾取する子供たちの体を強制的に傷つける。そうして成長した赤ん坊や子供たちは生きるために、自分たちを傷つけたマフィアのような存在に変貌していく。そんな残酷で悲しい現実が世界には存在する。
 衝撃的な内容に、読後しばらく項垂れてしまった。
 過激な内容であるので読むのが辛くて目を覆いたくなる部分もしばしば…でも一度開いたら最後まで読まざる得なくなる力がこの本にはあります。
 興味のある方は、覚悟を決めてから読む事をお奨めします。
 
 武士道シックスティーン レンタルチャイルド―神に弄ばれる貧しき子供たち
posted by しむ2 at 14:59| Comment(0) | TrackBack(0) | 読書とか | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年05月17日

最近読んだ本。

久々に読書ネタ。
他にも一杯読んだんだがなぁ…書かないとすっかり忘れるね。

閉ざされて/篠田真由美
 函館の西郊に海を臨んで建つ、雪華荘。主人公は自身のある悩みを誰にも理解される事無く、その閉ざされた館で孤独に暮らしていた。
 老舗宝石店を営んでいた父が残そうとした遺産を巡り、主人公の兄、後妻母娘と…家族にまつわる過去が次々と暴かれていく…って感じの長編ミステリー。
 題名通りの閉塞感。読んでて、ぎゅむっとした気持ちになる。
 ラストは、良い意味で騙された。

緑金書房午睡譚/篠田真由美
 高校を休学中の主人公「木守比奈子」は、大学教授の父が研究休暇でイギリスへ行く事にり、亡き母の親戚と言う青年が営む古本屋「緑金書房」に居候する事になった。その古書店では日々不思議な事が…ってなファンタジー。
 閉ざされて…とは間逆の気持ち良いファンタジー。
 アリスやマザーグース、ナルニアに、真夏の夜の夢…この辺をご存知だとニヤリとしてしまう事もしばしば。知らずとももちろん楽しめます。大方ファンタジーでは主人公が不思議な経験を重ねて成長していくモノですが、こちらももれなく比奈子の成長記。そしてラストはベタ甘ですが、これもまたよし(笑)
 黒猫クロさんに夢中です。

神様のカルテ/夏川 草介
 主人公の栗原は、信州の小さな病院で働いている。常に医師不足の病院では、専門外の治療をするのも、万年睡眠不足であるのも、何日も家に帰れないのも、当たり前。
ある時、彼は母校の医局から誘いを受ける。これを受ければ、激務の日常から抜け出せるがしかし…と、彼は悩む。
 全体的に飄々とした感じで話が進むので(森見さん風味)まさかこんな風に泣かされるとは…久々にがっちょり泣きました。読みやすくてガシガシあっという間に読んでしまった。読み終わるのが惜しいと久々に思った本。


閉ざされて 緑金書房午睡譚 神様のカルテ
posted by しむ2 at 18:08| Comment(0) | TrackBack(0) | 読書とか | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年02月05日

神去なあなあ日常/他。

 三浦しをんの「神去なあなあ日常」が本屋大賞にノミネートされてるのでニンマリ。
 これめっさ面白かったんですよね。かなり気分良く笑えます。

 ぐーたら主人公は、母親と担任の策略で、高校卒業と同時に林業作業員見習いとして山奥の何も無い神去村へ放り込まれて、さー大変。
 自然豊かなノンビリムードの過疎の村で、林業に恋に神事?に奔走する主人公の爽やか喜劇な青春小説だ。
 毎度ながら三浦さんの本の登場人物は、老若男女みな魅力的。斜陽産業である林業を物語の軸に据え、古きよき日本の風景を思い起こさせてくれる。気分がささくれてる時には特効薬になりそな本。
 林業って何?って人にもオススメっす。
 
 でもってついでなので。
 まほろ駅前多田便利軒の続編、まほろ駅前番外地も面白かった。
 前作主人公の多田便利軒の面々がサブに回り、今回はサブキャラさん達がメインの短編集。この作品独特の空気感は健在で、サブキャラさん達に心を温められてしまうのさ。

 そんでもって更に。
 星間商事株式会社社史編纂室
 あぁ、ついにこれをやってしまったか。そんな気持ちになりました(笑)
 腐女子OLの主人公が、会社の歴史の暗部を暴く!小説内小説には主人公作のBL小説もあるよ☆
 ちょっと破天荒なストーリーだなぁとも思いつつ、楽しく読めました。ヲタク知識が全く無い人が、主人公の言ってる事を理解して、楽しめるかどうかは、ちょっと疑問ではある。
 
 ついでにこれも。
 
 三浦さんには、なくもないけど珍しくブラックなお話。
 天災で何もかも失った登場人物達が、もがいてもがいても暗闇に引きずり込まれてしまうような…なんかもう救われない話。
 「光」なんて題名だから、最後には希望の光が…なんて思って読んでるとへこたれるぜ☆
 読後感は、むなしい。その一言に尽きる。
 ちょっと物足りなさは感じる物の、流さずに考え込むと割と好きな作品かもと思ったりします。

 
神去なあなあ日常 まほろ駅前番外地 星間商事株式会社社史編纂室 光
posted by しむ2 at 13:44| Comment(0) | TrackBack(0) | 読書とか | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

廃墟に乞う

 直木賞受賞作って事だったので。
 「廃墟に乞う」手にとって見ました。

 主人公は北海道警察捜査一課の敏腕刑事。
 彼は「ある」事件が原因で、自宅療養中の身の上。
 復調を感じているのに職場復帰は中々叶わず…時間を持て余し気味だった彼は、知人から次々持ち込まれる事件を探偵のような立ち位置で(休養中の彼には刑事の様な捜査権限は無い)解決していく…って感じのハードボイルド連作短編。

 はじめは少し物足りないなぁと。
 話は進んでいるし、事件も起きていて、主人公はそれに巻き込まれているのに、どこかまだ何も始まって無い印象と言うか…なので、ちょっとあれ?これ面白いのか?と不安になったりもしましたが、短編を一つ一つ読み進めて行くに従って当初感じた物足りなさはどこへやら…大満足の一冊でした。
 どっちかっつーと、短編だと思わずに読むのが丁度良いかも。

 文体が簡潔なのに言葉が足りない事はもちろんなく、登場人物の心の機微も読み取りやすいし、全く知らないはずの北海道各地の現状が鮮明に思い浮かべられたりもしてね。読みやすいけど、欲しい情報はもれなく全部あると言うのか…。
 ものっすごく無駄の無い文章を書く方なのだなぁと。佐々木譲さんの本は初めて読んだので、そんな事も思ったりした。

廃墟に乞う
posted by しむ2 at 00:04| Comment(0) | TrackBack(0) | 読書とか | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年01月20日

湊かなえ。

 少し前に『少女』を読んでたんで、最近『告白』、『贖罪』と一気読みしてみた。
 作品はどれも一人称で展開されてて、みんな陰湿で、激☆暗いお話だぞ!
 暗い話が苦手な人は全部スルーするのが良いかと思われます。

 面白さとしては、少女<贖罪<告白って感じでしょうか。

 『少女』は、女子高生のと言うか、思春期のなんか大人からしたらなんでそうなるの?な思考の帰結と言うか、その辺の微妙な危さが良く描かれてて、抜群に面白いぜ!って訳じゃないけど、一つの物語としてはありかなって満足感はありました。

 『告白』は第一章の「聖職者」が、娘を亡くした教師の告白…と言うか告発と言うか、それが一人称で延々続くので、始めは面倒だなぁと思ったんですが、いつの間にか引き込まれて一気読みした。次章からは、着々と教師の告白の顛末を、教師と共に当事者の方々がご説明くださる展開で物語は進みます。救いの無い結末は、この物語には良く似合ってる。
 登場人物はみな立場変われど自己中心に動きまくりですが…なぜだか彼らはみな別の環境に居たなら、誰か1人がかけていれば…心もとないながらも平穏で常識的な人々であっただろうと思わされる。そこがこの物語の最も怖い部分じゃなかろーかと思ってしまう。

 『贖罪』は、『告白』に似た展開の話です。
 なので感想もほぼ『告白』と一緒っす。<え?
 唯一違うのは、結末に多少の救いがあった事。これがなければ、構成は『告白』そのままじゃん!って事になるのだけど…この結末で読後感が良くはなったけど、パンチは消えちゃったかも。
 それでも作者の話の構成が好みなのか、私は面白く読めた。

 作品全体に言える事なんだけど、登場人物が、世間的な道徳と言うか倫理の欠落に対して、物申すな部分がちらちら出てくるのです。作者の陰湿で愉快では決して無い物語の根本は、そこにあるような気がする。

 てか…これ全部推理小説の分類になるらしいのですが。
 推理小説だぜ!って読まない方が楽しめる気がします。


告白 少女 (ハヤカワ・ミステリワールド) 贖罪 (ミステリ・フロンティア)

最新作は
Nのために
だそうで。
なんかこれまでと少し作風が違うの…かな?
気になるので、多分読むと思われます。
posted by しむ2 at 17:01| Comment(0) | TrackBack(0) | 読書とか | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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